1. サステナビリティTOP
  2. 環境
  3. 気候変動対策

気候変動対策

基本的な考え方

気候変動を起因とするさまざまな自然災害が私たちの社会に大きな影響を及ぼしており、気候変動は喫緊に解決すべき最重要課題として世界の共通認識となっています。こうした認識を踏まえ、日本をはじめとする各国のカーボンニュートラル戦略が急進しており、世界的に脱炭素社会実現に向けた動きが加速しています。いすゞグループは、「いすゞ環境長期ビジョン2050」のAspirationに「事業活動から直接排出されるGHGゼロ」、「製品ライフサイクル全体でGHGゼロ」を掲げ、気候変動への対応をいすゞグループのさらなる成長の機会と捉え、さまざまな取り組みを推進しています。また、いすゞは、2021年にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、シナリオ分析を通じて、気候変動へ対応した事業戦略の策定も進めています。

いすゞ環境長期
ビジョン2050
2030環境ロードマップ
Aspiration 2030チャレンジ グローバルアクション

事業活動から直接排出されるGHGゼロ

  • 2030年までにCO2排出量を2013年度比で50%削減します
  1. Scope1+Scope2
  • エネルギー使用総量を削減します
  • クリーンエネルギーの導入・拡大を推進します
  • 革新技術を積極的に導入します

製品ライフサイクル
全体でGHGゼロ

  • 多様なニーズに応えるCN車両のラインアップを揃えていきます
  • 2025年までに技術の見極めを行っていきます
  • 2030年までに社会実装を進めながら量産モデルを拡大していきます

TCFD提言に沿った情報開示

ガバナンス

いすゞは、グループ全体でサステナビリティの推進を図るため、取締役を委員長とし、各領域の担当役員を常任委員とするサステナビリティ委員会を設置しています。
サステナビリティ委員会の傘下には、環境および社会の専門部会を設置して個別課題について具体的な議論を行っています。
特に、カーボンニュートラルの達成に向けた取り組みについては、サステナビリティ委員会の傘下に、生産活動を中心に事業活動のカーボンニュートラル達成に向けた活動を推進する「事業系CN推進部会」と脱炭素技術/エネルギーなどによる製品のカーボンニュートラルに資するさまざまな活動を推進する「製品系CN推進部会」において、具体的な対応方針や活動の検討、実務展開を行う体制を整えています。

  1. CN:カーボンニュートラル

リスク管理

気候変動に関するリスク全般については、グループCRMO(Chief Risk Management Officer)主導による全社グループのリスク管理体制のもとで管理しています。個々の具体的な気候変動リスクについては、サステナビリティ委員会が特定・評価を行い、事業への影響を踏まえた対策の進捗を管理しています。

指標と目標

いすゞは、いすゞ環境長期ビジョン2050において、製品・サービスでは2050年までに当社グループ製品のライフサイクル全体でGHGゼロを、事業活動では2050年までに当社グループの事業活動から直接排出されるGHGゼロを目指しています。また、「2030環境ロードマップ」では、それぞれの中間目標として、製品では多様なニーズに応えるCN車両のラインナップ拡充を進めるとともに、事業活動では2030年までに当社グループのCO2排出量(Scope1+2)を2013年度比で50%削減することを掲げています。
さらに、パリ協定の目指す気温上昇1.5℃以内達成を支持し、科学的根拠に基づく温室効果ガス排出削減目標の検討を進めています。脱炭素社会の実現に向け、事業活動および製品を通じた気候変動対策に取り組んでいきます。

戦略

いすゞでは、産業革命以前と比較した気温上昇1.5℃と4℃における環境長期シナリオにてシナリオ分析を実施し、気候変動がいすゞグループの事業活動や製品に与えるリスクと機会を特定しました。リスクの対策には、環境に関する規制強化への対応や新しい技術開発が必要です。⼀⽅で、脱炭素社会に貢献するイノベーションの創出が社会から期待されており、適切に対応することで新たな事業の機会につながると認識しています。
いすゞグループでは、2050年カーボンニュートラルに向け、マルチパスウェイによるカーボンニュートラルソリューションの展開と事業活動から直接排出されるGHGの削減に取り組んでいます。これらを通じ、リスクの低減と機会の獲得を目指します。

シナリオ分析

環境長期シナリオ
4℃シナリオ(RCP8.5※1、SSP3※2
  • 化石燃料への依存が続き、気候変動が進行し、自然災害が増大する社会
  • 化石燃料は奪い合いとなり、格差の増大による反グローバル化が進み、国際的なガバナンスは機能不全に
  • 災害に脆弱で経済が停滞すると想定
1.5℃シナリオ(RCP2.6※1、SSP1※2、2DS※3
  • 規制の強化と技術革新により、社会構造や産業構造が大きく変化したカーボンニュートラルな社会
  • いすゞグループの製品群は用途により大きな変化が生じ、事業活動に大きな変化があると想定

製品

<車両>

  • 近距離、少量輸送を支える小型商用車はEVなど次世代パワートレインの開発、提供が進む
  • 中~大型商用車にも電動化など新たな流れが生まれる
  • 長距離・大量輸送を支える中~大型商用車では今後も内燃機関が果たす役割が大きい

<パワートレイン>

  • 持続可能な脱炭素化したクリーンエネルギーを活用
  • 従来以上に超省燃費でエネルギーロスのないパワートレインとそれらを搭載した製品の開発、市場提供が必要

サービス

  • 現在実証実験を行っている自動運転、隊列走行、フルトレーラーが一般化
  • より効率的な輸送方法が一般化

事業活動

  • 製品生産をはじめとする事業活動で使用するエネルギーは脱炭素化したクリーンエネルギーへ切り替え
  • カーボンニュートラル実現のため、資源投入量の最小化、排出物の有効利用を徹底
  1. ※1RCP2.6:国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が作成した気候シナリオ
  2. ※2SSP1:国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が作成した社会経済シナリオ
  3. ※32DS:国際エネルギー機関(IEA)が作成した社会経済シナリオ
リスクと機会
分類 リスク 機会 対策 事業への影響度
脱炭素社会への移行に伴うリスク・機会 政策規制
  • さらなる環境対応規制の強化への対応遅れによる、シェア低下
  • ゼロエミッション車への需要増加
  • カーボンニュートラル化に対応できるフルラインアップ確立に向けた取り組み推進
技術
  • EV、FCVなど多様なパワートレインに対応するための開発、生産コストの増加
  • オープンイノベーションの拡大
  • 安価なクリーンエネルギーの普及拡大
  • アライアンスを活用した効率的な共同開発
  • 安価なクリーンエネルギーへの切り替えによる低炭素な操業とコスト低減
  • 物流インフラの多様なニーズに対応できないことによるブランド力低下
  • 自動運転、隊列走行、フルトレーラーのニーズ拡大
  • お客様との協創活動によるカーボンニュートラルに資する物流イノベーションの創出
市場
  • 化石燃料を使う内燃機関車の市場縮小
  • 次世代燃料(カーボンニュートラル燃料)の活用による既存内燃機関技術やインフラの活用
評判
  • 事業全般におけるGHG削減対策や再生可能エネルギー導入の遅れによるエネルギーコストの増加、評判リスクの増加
  • 早期の再生可能エネルギー導入によるコスト低減と企業イメージ向上
  • 再生可能エネルギーの導入拡大
  • 省エネ活動のさらなる推進によるエネルギーコスト低減
自然災害の増大や水資源の枯渇などのリスク・機会
  • 異常気象(洪水、台風など)発生増加による事業被害
  • 災害対応可能な車両へ需要増加
  • 自然災害に強靭なインフラサービスへのニーズ拡大
  • 災害対応車の提供
  • 水害などで被水した車両の復旧サービス提供
  • BCPの拡充による企業体質の強靭化
  1. FCV:「Fuel Cell Vehicle」の略。燃料電池自動車

取り組み

製品・サービス

2050年までにいすゞグループ製品のライフサイクル全体でGHGゼロを実現するため、いすゞグループは、世界で販売する新車ラインアップすべてのカーボンニュートラル化を目指し、パワートレインの技術的検証を進めてきました。その結果、BEV、FCV、CN燃料、水素内燃機関はいずれも商用車のカーボンニュートラル化に貢献し得る有効な技術であることを確認しました。一方で、商用車に求められる性能や使用条件は、用途・地域によって大きく異なります。いすゞは、それぞれの技術の特長を活かし、最適なパワートレインを使い分ける「マルチパスウェイ」により、物流を維持しながらカーボンニュートラルの実現を推進していきます。
これらを踏まえ、いすゞは量産を見据えた電動車開発を推進し、2023年には新型エルフEV、2024年にはBEVフルフラット路線バス エルガEVの発売を開始しました。また、FCVについては、FC大型・小型トラックやFC路線バスなどの開発を進めています。これらのカーボンニュートラル化に向けた取り組みを加速するべく、藤沢工場内で稼働を開始した電動開発棟「The EARTH lab.」を活用し、電動車に最適なシステムの開発を推進します。
また、電動化が難しい用途や地域においては、CN燃料を活用した内燃機関も重要な選択肢となり、液体/ガス体問わずCN燃料対応車の開発を継続して進めています。いすゞグループは、お客様、燃料事業者、行政、関連業界との連携を通じ、車両・エネルギー・サービスを一体で捉えた最適解を提供していきます。

  1. CN燃料:カーボンニュートラル燃料の略称。バイオ燃料や再生可能エネルギー由来の合成燃料など

次世代車両の開発普及

EV小型トラック

エルフEVは、カーボンニュートラル社会の実現のため、いすゞが初めて開発した量産BEVトラックです。2025年2月にエルフEVのラインアップに、塵芥車と高所作業車を新たに加え、展開しています。架装物への動力供給にはいすゞ独自開発の電動PTO(Power Take Off)を開発、採用しています。

EV小型トラック
FCV大型トラック

2020年より本田技術研究所との共同開発を開始し、2023年12月から2025年9月まで実施した公道実証走行を通じて、市場導入へ向けたデータの取得、知見の蓄積、技術課題の抽出などを進めてきました。
今後、いすゞ環境長期ビジョン2050に基づきマルチパスウェイで技術開発を進め、地域状況・社会動向に適した商品開発展開の一環としてFCVの開発を進めていきます。

FCV大型トラック
FCV小型トラック

2021年より、Commercial Japan Partnership Technologies(以下、CJPT)において共同企画され、2023年から福島県・東京都・福岡県にて水素技術活用の社会実装プロジェクトへいすゞとトヨタ自動車で共同開発した車両の供給を進めて参りました。
量産化へ向け、エルフEVをベースにトヨタ製の燃料電池システムを組み合わせ、FCシステムの適合について両社で共同開発を進めていきます。

FCV小型トラック
BEVフルフラット路線バス

2024年5月に国内初のBEVフルフラット路線バス エルガEVを発売しました。
路線バスは、運行ルートや走行距離が比較的定まっていることから、BEVがカーボンニュートラル実現に向けた有力な選択肢のひとつになると考えています。
「エルガEV」は、長年の路線バス開発で培った知見を活かし、フルフラット構造によるバリアフリー性や静粛性を実現しました。
「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」の会場アクセス輸送を担うシャトルバスとして採用されました。また、自動運転技術と組み合わせた実証運行にも活用されるなど、次世代公共交通に向けた社会実装が進展しています。

BEVフルフラット路線バス
BEVフルフラット路線バス
BEVフルフラット路線バス
次世代FC路線バス

いすゞは、トヨタ自動車と共同で、FC路線バスの実用化に向けた開発を進めています。このFC路線バスは、「エルガEV」をベース車両として活用し、BEV開発で培った車両レイアウトやバリアフリー性能などを継承しています。
FCVは、走行時にCO2を排出せず、短時間での充填や長距離運行への対応が可能であることから、高稼働な公共交通に適した技術として期待されています。
いすゞは今後も、BEV・FCVを含むマルチパスウェイの考え方のもと、多様なニーズに応じたソリューションを提供し、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献していきます。

FC路線バス
北米中型BEV

北米におけるGHG削減のために、いすゞはAccelera by Cumminsのパワートレインを搭載した中型電動トラックの開発を発表しました。カミンズ社といすゞの両社の強みを活かし、お客様のゼロエミッション達成をサポートしていきます。

北米中型電動プロトタイプトラック

BEVの導入・運用支援トータルソリューションプログラム「EVision」の提供

いすゞは、2023年、量産BEV「エルフ EV」の市場投入に合わせ、BEVの導入・運用支援トータルソリューションプログラム「EVision」の提供を開始しました。
EVisionは、商⽤EVの導⼊検討のサポート、導入課題の解決、効果の定量化、さらなる改善提案によりお客様のカーボンニュートラルを実現するソリューションプログラムです。
お客様の拠点当たりのEV導入台数の増加を見込み、充電による電力基本料金の上昇を抑制するエネルギーマネジメントサービス「SmartEVer」を展開しており、幅広いお客様に安心してEVをお使いいただけるようEVisionのサービス内容を拡充していきます。

EVision
SmartEVer
EVision Cycle Concept(商用車バッテリー交換式EVコンセプト)

カーボンニュートラルの新たな選択肢として、いすゞはバッテリー交換式ソリューションの検討開発を行っています。車両とバッテリーの分離運用により、さまざまな社会課題の解決が期待できます。2025年度には国内での客先実証およびタイ現地法人での社内実証を開始し、実運行におけるバッテリー交換式の有用性を確認するとともに、得られた知見を車両やバッテリーステーションの開発へ活かしていきます。

EVision Cycle Concept(商用車バッテリー交換式EVコンセプト)
EVision Cycle Concept(商用車バッテリー交換式EVコンセプト)

バッテリーステーション

CNガス燃料(低炭素燃料の取り組み)

天然ガス自動車は天然ガスを燃料としていますが、その燃料をバイオメタンや再生可能エネルギー由来のe-methaneに置き換えることで、既存の車両やインフラを活用しながら低炭素化・脱炭素化を図ることが可能です。また、近年、世界的にバイオメタンの導入量は増加傾向にあります。e-methaneについても製造技術の開発が活発に進められており、今後の普及拡大が期待されています。
昨年度には、新たに大阪万博において製造したバイオメタンを使った実証に参画するなど、CNガス燃料によるモビリティのカーボンニュートラル化の取り組みを推進しております。

  1. e-methane:CO2と再生可能エネルギー由来の水素から製造した合成メタン

CN燃料の普及と対応

いすゞグループでは、全社横断的活動としてCN燃料使用による車両の諸性能・耐久信頼性等の影響についての評価などを実施し、CN燃料の社会実装化に向けた取り組みを継続しています。
具体的な一例として、いすゞは協力する8社とともに、東京都の令和6年度「新エネルギー推進に係る技術開発支援事業」に、「新規HVO混合燃料の開発及びサプライチェーン構築とその社会実装」が採択されました。
このたび採択された9社は、かねてよりバイオ燃料などの使用を通じてサステナブルな社会の実現への貢献を目指しており、各々の分野でHVOベースの新たなバイオ燃料の開発・製造・貯蔵・輸送・実証利用などを実施し、サプライチェーン構築と社会実装への取り組みを継続します。
また、CN燃料の普及加速のため、CN燃料製造事業者に対し、燃料品質上の課題提起や改善提案について働きかけるとともに、供給や販売などの流通過程で追加の投資を必要としない制度作りなどにも積極的に参画していきます。

  1. HVO:Hydrotreated Vegetable Oil(水素化処理植物油)の略。バイオマス(生物資源)原料を水素化処理した燃料で、軽油と混合でも単独でも利用することが可能。石油由来の軽油使用時と比較してCO2排出量の削減効果が高いCN燃料のひとつ

事業活動

2050年までに事業活動から直接排出されるGHGをゼロにするため、いすゞグループでは、エネルギー使用総量の削減や再生可能エネルギーの導入・拡大などに取り組んでいます。

エネルギー使用総量の削減

⼯程の効率化、設備などの運転⽅法の⾒直し、適正化、エネルギー使⽤量の⾒える化など、省エネルギー活動を継続して実施しています。
従来の運⽤⽅法を⾒直すことで効果が見られた取り組みは、グループ内で⽔平展開を⾏うことで、いすゞグループの事業活動全体でのエネルギー使用総量の低減につなげています。
いすゞグループは各国の気候変動に関連する法規制(国内の場合は、省エネ法※1や温対法※2など)や政策などを⽀持し、法に基づく⾏政機関への各種報告などを通じ、使用エネルギーの低減に対応しています。

  1. ※1エネルギーの使⽤の合理化及び⾮化⽯エネルギーへの転換等に関する法律
  2. ※2地球温暖化対策の推進に関する法律
高効率溶解炉による省エネ

いすゞでは、2019年に宮本工業所および互交産業と共同で高効率アルミ溶解保持炉を開発し、2020年から藤沢工場およびいすゞエンジン製造北海道の2,000tダイカストラインで量産運用を開始しました。
本設備は、予熱効果を最大化する炉内構造の採用に加え、稼働状況に応じて必要な溶解量を把握し、燃焼能力を最適に制御する技術を導入しています。これにより、従来設備と比較してエネルギー消費量を約40%削減し、生産性と環境性能の両立を実現しました。
さらに、燃焼装置の変更により、水素をはじめとする多様な燃料への対応が可能であり、将来的なカーボンニュートラルの実現にも貢献する技術として期待されています。
こうした技術の先進性と産業界への波及効果が評価され、2025年11月7日に開催された「第41回 素形材産業技術賞」において、経済産業省製造産業局長賞を受賞しました。

「第41回 素形材産業技術賞」表彰式の様子
「第41回 素形材産業技術賞」表彰式の様子
高効率アルミ溶解保持炉
高効率アルミ溶解保持炉

環境配慮型販売拠点の拡大

販売拠点を新設、または改修する際には、LED照明の採⽤、再⽣可能エネルギーの導⼊など、エネルギー使用量の低減を進めています。また、新設時には車両整備や洗車からの排⽔による環境汚染を防⽌するため、従来より環境に配慮した排水処理装置を採用するなど、環境配慮型拠点を拡大することを推進しています。

いすゞ自動車首都圏 港北サービスセンター
いすゞ自動車首都圏 港北サービスセンター
いすゞ自動車首都圏 柏サービスセンター
いすゞ自動車首都圏 柏サービスセンター

クリーンエネルギーを創出

いすゞグループでは、事業所における再生可能エネルギー由来電力の利用拡大に加え、自らクリーンエネルギーを創出する取り組みも進めています。
日本国内では、藤沢工場および栃木工場に太陽光発電設備を導入しており、両工場合計で1,389kWの発電容量を有しています。加えて、国内連結会社においてもオンサイトPPAによる太陽光発電設備の導入を進めており、生産拠点や販売会社など、グループ全体で再生可能エネルギー創出の取り組みを拡大しています。
また海外のいすゞグループ各社においても、太陽光発電設備の導入を積極的に進めています。タイをはじめ、UAE、南アフリカ、ケニア、ベトナム、マレーシアなどの拠点においても太陽光発電設備の導入が進んでおり、再生可能エネルギーの創出・活用の取り組みをグローバルに広げています。
今後もいすゞグループは、省エネルギー設備の導入に加え、太陽光発電設備をはじめとするクリーンエネルギー創出設備の導入拡大を進め、事業活動における環境負荷低減に取り組んでいきます。

泰国いすゞ自動車(IMCT)の太陽光発電設備
泰国いすゞ自動車(IMCT)の太陽光発電設備
いすゞ自動車インターナショナル(IIF)の太陽光発電設備
いすゞ自動車インターナショナル(IIF)の太陽光発電設備

クリーンエネルギーへ転換

事業所で使用するエネルギーについても、順次クリーンエネルギーへの転換を進めています。
いすゞでは、再生可能エネルギー由来電力の導入拡大を進めており、2025年度からはオフサイトコーポレートPPAおよび非化石証書付き電力を組み合わせることで、藤沢工場で使用するすべての購入電力を再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えています。また、2027年度からは栃木工場においてもオフサイトコーポレートPPAの導入を計画しており、再生可能エネルギー利用のさらなる拡大を進めていきます。こうした取り組みにより、購入電力に占める再生可能エネルギー由来電力の比率は着実に拡大しています。
燃料についてはまだ電気のようなクリーンエネルギー技術が確立されていません。こうした状況を鑑み、いすゞでは2021年度から工場で使用する燃料の一部にカーボンオフセット都市ガス(地球環境貢献型)を使用しています。カーボンオフセット都市ガス(地球環境貢献型)は、天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生するGHGを、CO2クレジットで相殺(カーボンオフセット)し、燃焼しても地球規模ではCO2が発生しないとみなす液化天然ガスです。このクレジットはボランタリークレジットではありますが、国際的にも信頼性の高い機関から発行されたものであり、地域や生態系に重大な悪影響を及ぼさない等、導入先の調達要件・品質基準などが満たされたプロジェクトで構成されています。
こうした取り組みを天然ガス車利用ユーザーの皆様にも広く知っていただくため、いすゞではカーボンオフセット都市ガス(地球環境貢献型)を藤沢工場に併設する天然ガススタンドにも供給しています。同スタンドで供給する天然ガスはすべてカーボンオフセット都市ガス(地球環境貢献型)となっています。

供給を行う北関東の太陽光発電所
供給を行う北関東の太陽光発電所

物流過程におけるCO2排出量の削減

いすゞでは、物流過程におけるCO2排出量を毎年1%削減することを目標に掲げ、CO2排出量の削減の取り組みを実施しています。

主な取り組み
  • 輸送方法の見直し
  • 搬送時の省燃費運転促進
  • 新規航路開拓による海上輸送の増便(モーダルシフト)
  • 荷量に合わせたトラック輸送管理の徹底
  • 返却時に折り畳めるリターナブルラックの使用拡大
  • トレーラー輸送の拡大とコンテナ内貨物充填率向上
  • コンテナラウンドユースの拡大
  • 物流拠点におけるクリーンエネルギーへの転換
輸送方法の見直し

いすゞグループでは、製品・部品の輸送ルートの見直しや最適化を継続的に進めており、グループ間の共同輸送などを通じて、輸送に伴うCO2排出量の削減に取り組んでいます。
これまでは販売店・修理工場の休業日を考慮した部品配送センターからの配送便の調整、また一般道を使用していた藤沢地区から栃木地区への配送往復便の全線を高速道路利用へ変更などを実施し、燃費向上とCO2排出量削減を実現しました。
2025年度からは対象範囲を拡大し、他社や部品メーカーとも協業しながら、さらなる環境負荷低減と輸送効率向上に取り組んでいます。
生産拠点への部品補充便では、従来、毎週月曜日から金曜日まで10t車2台体制で運行していました。1台は往復運行、もう1台は往路のみの運行でしたが、他社との共同配送開始に伴い、フルトレーラー1台による往復運行へ変更しました。本取り組みでは、他社部品との混載により積載効率を向上させ、輸送便数および燃料使用量の削減を図りました。改善前は、10t車2台の運行により、1運行日当たりの延べ走行距離が1,380kmでしたが、改善後はフルトレーラー1台による往復運行へ見直したことで、920kmまで短縮しました。
その結果、年間228便の運行削減と、年間約26KLの燃料使用量削減を実現し、輸送に伴うCO2排出量削減にもつなげています。
また、部品メーカーからの引き取り物流では、従来1日9便を運行していましたが、便ごとの荷量や運行時間に偏りがあり、輸送効率の低下が課題となっていました。そこで、2025年度に積荷配分や運行内容の最適化を実施し、共同便の運行体制を見直しました。
これにより、便数削減と積載率向上を推進し、便数は1日9便から7便へ削減しました。年間では488便の削減を実現するとともに、走行距離を1日あたり2,826kmから2,198kmへ短縮し、年間約15万3,000kmの削減につなげました。さらに、トラック内の平均積載率は約60%から約80%へ向上し、輸送効率を大幅に改善しました。
これら施策により、ドライバーからも積載率の平準化や作業負荷の軽減等の評価も得られており、物流効率の向上だけでなく、運行品質の改善にもつながっています。
配送拠点である倉庫内においても、環境負荷低減に取り組んでいます。軽油を燃料とするディーゼルフォークリフトから電動フォークリフトへの切り替えを進めており、2030年度までにディーゼルフォークリフトゼロを目標に活動しています。また、2024年度からは、栃木エリアの倉庫内照明を人感センサー付きLED照明へ更新し、無人時には自動で消灯する仕組みを導入しました。その結果、CO2排出量を削減するとともに、職場環境の改善にもつながりました。
今後も、他社との連携を強化し、輸送ルートや共同物流のさらなる最適化、混載輸送の拡大を通じて、環境負荷低減と安定的な物流体制の両立を図りながら、持続可能な物流の実現に取り組んでいきます。

電動フォークリフト
電動フォークリフト
人感センサーにより無人時に消灯された倉庫
人感センサーにより無人時に消灯された倉庫
物流拠点でのクリーンエネルギーへの転換

2025年に開催された大阪・関西万博関連のEVバス補修部品供給にも携わったいすゞグループの物流拠点では、いすゞグループの「2030環境ロードマップ」に掲げる、事業活動における2030年までのCO2排出量(Scope 1+2)の2013年度比50%削減目標の達成に向け、実効性のある施策を検討していました。
一方で、多くの拠点が賃貸物件であることから、太陽光発電パネルのような大規模設備の導入には制約がありました。そこで、再生可能エネルギー由来電力の活用について検討を開始しました。
再エネ電力への切り替えにより、一部拠点ではコスト増加も見込まれましたが、会議体ではSDGsやLNOB(Leave No One Behind:誰1人取り残さない)の観点から議論を重ねました。その結果、拠点間・部署間の垣根を越え、物流拠点全体での最適化を優先することで、脱炭素化に向けた取り組みを推進しました。
これにより、9拠点において、物流拠点全体の電力使用量の70%にあたる年間約620万kWh相当を、再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えました。本取り組みは、環境負荷低減に加え、従業員の環境意識向上にもつながっており、環境配慮への姿勢を社内外へ発信しようとする動きも広がっています。
また、再生可能エネルギー活用の一環として、モータープール(車両の一時保管場所)においても、省エネと環境配慮を踏まえた拠点整備を進めています。まず、水銀灯からLED照明への切り替えを行い、全モータープールへの導入を完了しました。さらに、昼間に太陽光発電で蓄えた電力を夜間に活用するソーラーライトを順次設置しています。モータープールは、工場や倉庫と比較して電力使用量が少ないことから、LED照明に加えてソーラーライトを併用することで、拠点特性に応じた電力使用量の抑制を図っています。
今後も、環境負荷の低減と、安全で働きやすい職場環境の両立を目指していきます。

モータープールのソーラーライト
モータープールのソーラーライト
コンテナラウンドユースの拡大

いすゞグループでは物流分野全体でカーボンニュートラル活動を実施しており、栃木、藤沢、横浜港、上尾の各エリアで、輸入用コンテナから貨物を取り出した後、空になったコンテナを輸出用コンテナとして再利用するコンテナラウンドユース(CRU)に取り組んでいます。
栃木エリアでは、従来、栃木工場で梱包するノックダウン(KD)部品の輸出に使用する空コンテナを横浜港まで引き取りに行っていました。現在は、船会社が指定する栃木工場近隣の内陸デポにおいて、他社が輸入貨物を取り出した後のコンテナを引き取り、KD部品の輸出用コンテナとして再利用しています。
藤沢エリアでは、他社との協業により、輸入貨物を取り出した後のコンテナを横浜港へ返却せず、藤沢工場近隣のいすゞグループ倉庫へ輸送し、KD部品の輸出用コンテナとして再利用するCRUを実施しています。
2025年度は新たに船会社1社とCRUに関する契約を締結しました。本取り組みでは、他社の輸入貨物の荷下ろし後に発生する空コンテナを港へ返却せず、KD部品の輸出貨物用コンテナとして再利用しています。これにより、年間24本の空コンテナ輸送を削減しました。
これまでのCRU活動は、日本物流団体連合会より高く評価され、協業他社とともに、2022年度から2024年度まで3年連続で物流環境大賞「特別賞」を受賞しました。
今後も、グループ内外の関係各社との連携を強化しながら、CRUのさらなる拡大と輸送効率の向上を図り、安定的な物流体制の構築とCO2排出量削減を両立することで、持続可能な物流の実現とカーボンニュートラルへの貢献を目指していきます。

CRU KD出荷コンテナ内外
CRU KD出荷コンテナ内外

CRU KD出荷コンテナ内外

バイオマス資材の導入拡大

いすゞグループでは、海外組立工場向けKD出荷の包装資材にバイオマス資材を導入しています。バイオマス資材は、再生可能な植物由来原料を活用することで、石油由来資源の使用量削減に加え、ライフサイクル全体でのCO2排出量抑制にも寄与する資材として活用を進めています。
2017年度から、年間約900万枚と最も使用量の多いA4サイズのポリ袋について、石油由来製品からバイオマス資材への切り替えを開始しました。その後、他サイズへの展開を進め、2023年度には全10サイズのポリ袋をバイオマス資材へ切り替えています。
また、気泡緩衝材についても、2022年度から全16サイズを対象に、バイオ原料を約15%配合したバイオマス資材への切り替えを実施しています。
さらに2025年度には、バイオマス資材導入の5種類目の取り組みとして、発泡シートを対象に、バイオ原料を10%配合した製品への切り替えを実施しました。導入にあたっては、資材メーカーから提供された物性データをもとに、品質面・作業面・安全面への影響を確認し、従来品と同等の性能を有すると判断したことから、年間約76万枚(重量換算約35t)を使用する発泡シート9品番へ適用しました。
今後も、包装資材における植物由来原料の活用を拡大し、環境負荷の低減と脱炭素社会の実現に貢献していきます。

バイオマス資材
バイオマス資材
外部倉庫機能の集約による物流効率化

いすゞグループでは、物流効率化を通じた環境負荷低減を推進しています。
タイの泰国いすゞ自動車(IMCT)サムロン工場では、工場再編に伴い、外部倉庫を含む部品保管・供給機能を車体組立工程近傍へ集約しました。これにより、部品輸送距離の短縮と搬送効率の向上を実現し、物流プロセス全体の最適化を図りました。
その結果、物流に伴う燃料使用量を削減し、年間で軽油を約153KL、LPガスを約53tの削減を達成するなど、輸送に伴う環境負荷の低減に貢献しています。

部品保管・供給機能の集約
部品保管・供給機能の集約
集約した部品倉庫
集約した部品倉庫

省燃費・安全運転講習会の開催

いすゞ製品のライフサイクルを考慮すると、CO2排出が最も多いのは製品(車両)使用時となります。
いすゞでは、お客様に車両の走行性能に合わせた省燃費運転方法をお伝えするため、1995年から「省燃費・安全運転講習会」を国内外で開催しています。

過去3年間の開催実績

回数(回) 参加人数(人)
2025年度 58 778
2024年度 77 1,039
2023年度 76 999
省燃費・安全運転講習会の様子
省燃費・安全運転講習会の様子

省燃費・安全運転講習会の様子

お取引先様との取り組み

いすゞは、「いすゞグループ サプライヤーサステナビリティガイドライン」にのっとった調達活動を実施し、お取引先様に対してもこのガイドラインに沿った活動を要請するとともに、要請に準ずる同意書への署名をお願いしています。本ガイドラインには、グリーン調達の観点を含めた環境に関する依頼事項も定めており、お取引先様に取り組みをお願いしています。これにより、お取引先様と一体となってバリューチェーン全体におけるサステナビリティおよび環境マネジメントの強化を進めています。
2022年度からはCDPのサプライチェーンプログラムに参画し、お取引先様の気候変動関連の取り組みやGHG排出量の把握を進め、お取引先様との連携を強化しています。

横浜市との取り組み

いすゞは2023年10月に横浜市と 「横浜市内の商用車部門におけるカーボンニュートラルの実現に向けた連携協定」を締結しました。横浜市内の商用車部門におけるカーボンニュートラル車の普及や、脱炭素に資する輸送の効率化に協働で取り組むことを目指しています。
この協定に基づき、2025年11月より横浜市内にてバッテリー交換式EV車を使い市内ファミリーマートへの店舗配送を開始、続いて2026年6月より塵芥車を使った横浜市内のごみ収集作業の実証実験を開始しています。
バッテリー交換式とすることで、短時間で満充電されたバッテリーへの交換が可能となり、商用車の電動化で課題となる充電に伴うダウンタイムの短縮につながります。これら実証実験では、現場業務の効率化と車両運行の継続性向上を目的に、運用面での効果を検証して参ります。

コンビニ向けバッテリー交換ステーション
コンビニ向けバッテリー交換ステーション
塵芥車向けバッテリー交換ステーション
塵芥車向けバッテリー交換ステーション